自律神経と春の不調

こんにちは。

漢方薬店kampo's山口りりこ(薬剤師・薬膳師)です。

「春分」

お昼と夜の長さが同じになるころですね。

春は成長の始まりの季節です。

しかし環境の変化も大きく、忙しなくなる時期でもあります。

今日はこの時期に気になる「春の微妙な不調」を考えていきましょう。

2021.3.20春分

1.なんとなく不調

2.漢方で考える自律神経

3.不安な気持ちは血不足かも

4.目の疲れは要注意

5.おすすめ食材

6.春の疲れはクコ・なつめを

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1.なんとなく不調

3月4月は

天候的に気温差・気圧の変化があり

また、環境の変化も多く

なんとなく落ち着かない、なんとなく不安

といった「なんとなく」な症状が多くなりがちです。


でもその感覚、間違っていません。

陰から陽への転換期で、身体が変化に対応できず不調がでやすくなるのです。

季節の変わり目は体調を崩しやすい

という理由にもなります。

病院に行って治療するほどではなく

だるい、つかれやすい、朝起きづらい、微熱っぽい
などなど。

特に《春の不調》は自律神経と大きく関係しています

西洋医学的に、自律神経というとメンタルだけを考えますが

漢方の考えは

「心と体は表裏一体」

決して精神疾患ではなく

だれもが季節的に心がけることで

将来の病気を予防し、健やかに過ごす知恵にもなるので

是非知っていてほしい考え方です。



2.漢方で考える自律神経

自律神経と大きく関わっている臓器は

「肝(かん)」です。

肝の役割は

①血を貯蔵すること
②気を全身にスムーズに巡らせる

春は肝が働きすぎて

血が不足しやすかったり、気の巡りが悪くなる

ことがあるのです。


そうならないために「養生」が必要です。

今日は

①血を貯蔵する

肝について考えていきたいと思います。



3.不安な気持ちは血不足かも


夜寝る前に普段は気にしないことが気になる
なんとなく不安を感じる
情緒が不安定
不眠

こんな症状は血が不足すると出やすい症状です。

これらはココロによった症状ですが

体調的には

・めまい
・貧血、月経が遅れる
・ドライアイ、目のかすみ、視力低下
・手足のしびれ、目がピクピク痙攣、足のつり(こむら返り)

こんな症状が出やすくなります。


肝を解剖学的な機能だけで考えないのが漢方の特徴です。

血には栄養を送り届けるだけでなく

精神を安定させる
体に潤いを与える

役割があります。

だからこそ

心身どちらからのアプローチも可能なんですね。



4.目の疲れは要注意

肝(かん)の症状は

目や筋肉にあらわれます

目の疲れ・ドライアイ・視力低下
ピクピクする痙攣、足のひきつり

などは

「肝」の血の不足が影響しているのです。


忙しいとついついPCやスマホと睨めっこしている時間が増えます。

「目を休めることで、月経や心の安定にもつながる」

すごくかけ離れているようですが

特に春の養生として、漢方の考えを取り入れていただきたいのです。



5,おすすめ食材

春菊、菜花、ほうれん草、こまつな、人参、レバー、赤身肉、くこの実、なつめ



6.春の疲れはクコ・なつめを

薬膳ではよく使われる2大生薬

クコの実・なつめ


2つの特徴はどちらも肝血を養えるということです。

春の食養生に特におすすめなので、特徴を記載します。


・クコの実・

ナス科クコの果実です。

血を養い、また潤いを与える力が強い生薬。

目の疲れ・乾燥・視力低下
めまい
頭痛

におすすめです。

お肌の乾燥対策にもよいので

エイジングケア、美容目的としても多く使われます。

お茶やコーヒーに浸しておくだけで

黒糖に似た甘みが出るため

お砂糖を減らすのにもおすすめです。



・なつめ・

クロウメモドキ科なつめの果実です。

胃腸の機能を高め、心を穏やかにします。

特に不安な気持ちがある方
貧血
月経前後の不調

におすすめです。

1日3粒で不老長寿とも言われるフルーツです。

今は大きい粒ものも市場に多くあるため

大きなものだったら1粒で十分かと思います。

種の周りの果肉を食べて

種は出汁パックに入れて煮込み

最後まで成分をしっかりとれるといいですね。



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いかがだったでしょうか。

肝の血を養う方法は色々とあります。

まずは疲れを溜め込まず

心身緩めることを意識して過ごしてみてください(^ ^)/



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