新型コロナウイルス漢方医学で考える養生

こんにちは。

kampo's薬剤師・薬膳師山口りりこです。

新型コロナウイルスに罹患された皆さま、感染拡大により影響を受けられてい皆さまに、

心よりお見舞いを申し上げます。

連日ニュースでも取り上げられ、お客様からもお声をいただくため、

今回は自分や家族が感染したらどうするか?という個人的な意見を、

漢方薬膳視点よりお話いたします。

1,新型コロナウイルスに関して

2,漢方医学は「病気」に着目ではなく「病人」に着目する

3,漢方医学で考えるウイルスに関して

:邪気vs正気

4,邪気を追っ払う対応法

:寒・炎症タイプ別おすすめ食材&漢方薬&気を付けること

5,正気を養う養生法

:気を補う・保湿:おすすめ食材&漢方薬

6,雨水kampo's前菜


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1,新型コロナウイルスに関して

新型コロナウイルスに有効な抗ウイルス薬は現状(2020/2/19)なく、

対処療法が行われています。

症状は主に発熱、咳など風邪同様の症状です。

2/17に厚生労働省より発表もありましたが、

症状があってすぐに病院に行くのでなく、指針が示されています。(下記参照)

ではそれまでにできることが無いのか、というとそうではないと思います。

漢方薬膳が得意なのは予防医学!

普段からできることはたくさんありますよ。

次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。基礎疾患をお持ちの方やご高齢の方、その他詳細に関しては厚労省ホームページをご確認ください。


2,漢方医学は「病気」でなく「病人」に着目する

漢方医学と西洋(現代)医学の大きな違いは、着目する視点だと思います。

西洋医学は病気(病原体など病理)を詳しく見るのが得意です。

そのため、インフルエンザウイルスなのか、コロナウイルスなのか、はたまた、そうでないウイルスによる風邪なのかを特定するのが得意です。

それによって、対応法はほぼ決まっていて治療もしやすいのが特徴です。


一方漢方は

症状や体質を含む病人をみてその根本原因を考えるのが得意な医学です。

そのため、同じ風邪でも

寒気が強いのか?(寒さが体内に侵入)

炎症が強いのか?(熱が体内に侵入)

体力はあるのか?疲れがたまっているのか?

と、その人の主観を大事にして病人をみるのです。


今回の新型コロナウイルスのようにウイルスをやっつける薬が無い以上、

熱を下げることや咳を止めるという対処療法以外にも

できることがあると思うのでいつもより少し長くなりますが

書かせていただきます。


3,漢方医学で考えるウイルスに関して

ウイルスや細菌、花粉など人に影響を与える発病因子を

「邪気(じゃき)」

と言います。

一方身体の免疫や抵抗力などを

「正気(せいき)」

と言って、

邪気と正気のバランスによって

私たちは病気になったりならなかったりするのです。


症状が出るには2つあります。

・邪気が強すぎる時には、正気がたくさんあっても負けて発病

・疲れ切って正気が足りない時には、大した邪気でなくても対抗できず発病

新型コロナウイルスにおいても、感染は認められるけど重症化しない人というのは正気が勝った、ということなのです。


4,邪気を追っ払う対応法

邪気でも寒タイプ・炎症タイプ2つパターンを考えると良いです。


【寒タイプ=強い寒気を感じる】

身体を温め、邪気を追い払う!

  • おすすめ食材:生姜、ねぎ、大葉、紫蘇
  • おすすめ漢方:

こわばり、頭痛→葛根湯(かっこんとう)

汗が出ず強い咳→麻黄湯(まおうとう)

  • 生活:発汗した汗を吸収できるような素材の服を着て身体を温め寝る!


【炎症タイプ=喉痛、口が乾き高熱】

炎症を散らし、邪気を追い払う!

  • おすすめ食材:ミント、葛、大根おろし
  • おすすめ漢方:銀翹散(ぎんぎょうさん)


※漢方はドラッグストアでも比較的、販売されているものです。

これらの邪気は変化が早いため、少しでも早く対応することが大切です!!

また邪気は首元から入ることが多いので、

首回りを温めるようにしましょう!


5,正気を養う

ここが一番の予防ですね。

正気(せいき)を養うことは、免疫・抵抗力を高めること


  • 気を補う食材:米、雑穀、黒豆、きのこ、芋類
  • おすすめ漢方:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

気を作る要は胃腸。

温かいものを取ろう!食べ過ぎはNG。

気を補う食材でも食べ過ぎは消化にエネルギーを使うことになる。

腹八分目が大切!


  • 体内から保湿食材:長芋、貝類、ごま、くるみ、蜂蜜
  • おすすめ漢方:麦門冬湯(ばくもんどうとう)

免疫の要である「肺」は乾燥を嫌います。

唐辛子やお酒などのとり過ぎには注意!

こまめな水分補給やお部屋の加湿なども積極的に。

また睡眠が不足すると乾燥体質になりがちです。

十分な睡眠をとりましょう!


一朝一夕で健康な身体はできません。

食事や睡眠など日々の養生が大切です。

それでも追いつかない時には漢方薬やそのほか治療も選択して

悪化しないよう心がけることが必要だと思います。


5,雨水kampo's前菜

サツマイモとこがね丸のピュレスープ〜穂紫蘇添え〜

2/19〜3/4

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